温かい、気持ちが伝わってくるよ。

「いろは、大丈夫か。調子、どう?」

「うん、もう平気だよ」
「彼がね、あなたをここまで運んできたのよ」

私は春雪のほうを見た。
「もうすごい血相を変えてね。私、びっくりしちゃった」

女の人は舌をだして、肩をすくめた。

「でも、ハル。ここはどこなの」

「ここ?俺のいとこの別荘」

「いとこ?じゃあこちらの女性は??」

「ヘルパーさん」

「ヘルパー、さん?」

女の人はにこっと笑うと、

「初めまして。野口恵子といいます」

私にはわけがわからず、春雪と恵子さんを交互に見た。

「ちょっと、来てほしい」

春雪が私の腕を引いて、別荘の中に入っていった。