ごめんね、お母さん。

また期待に応えられそうにないよ…。

嬉しそうにはしゃぐお母さんの声を聞いてると、すごく辛いよ。

声にならない言葉が頭に浮かぶ。

ごめんなさい、ごめんなさい。

いい子じゃないけど、見捨てないで!

私は帰りの車の中で母親の目が見られなかった。

4月16日 曇り

塾のテストの出来を聞かれた。

正直に答えられなかった。

お母さん、すごく嬉しそうだったな。

でも嘘ついて本当は胸が痛い。

息苦しい。

どうして私はこんなに出来が悪いんだろう?

どうして期待に応えられないんだろう?

もし翼があったらこの不自由な世界から飛び出して、自由な国へ行きたい。

お母さんもお姉ちゃんたちもいない、成績のない世界。

そんな世界、あるはずないのにね…。