そんな気持ちを紅は理解してくれた。

紅、ありがとう。

私は紅が大好きだよ。

小学校の頃からずっと一緒で。

時には怒ったり、けんかしたり、笑いあったり。
本当の家族なんかよりも姉妹のように思ってた。
私なんかのために泣いてくれるんだね。

私は紅がいなかったら、そして春雪がいなかったら、どうなっていたんだろう。

きっと、ウサギが寂しいと死んでしまう、という迷信みたいに、寂しくて生きていけなかったかもしれない。

私は命の恩人に二人も出会ったんだね。

それだけが、私にとっての幸せでした。


紅はお化粧がぐちゃぐちゃになるのもかまわずに、しゃくりあげて泣いた。

「いろはがかわいそうだよ…。家族の中で一人ぼっちで。ずっと一緒だったのに気づかなかった。私、なんて謝っていいかわかんないよ…」

私は春雪のほうをチラッと見た。

机の下で私たちは手をつないでいた。

ぬくもりが、伝わってくる。

「紅、紅は悪くないよ。私のうちがおかしいだけ。きっと何かがおかしいんだよ」

「でも…」

「それにね、私には春雪がいるもん。ずっと探してた春雪が」

春雪は私の方を見て、にっこりと笑うと、