春雪が私の家に挨拶に来た翌日。
私は日直だったので、職員室に学級日誌を取りに行った。
春雪に会いたくて、いつもより30分早く登校した。
紅にはまだ全てを話す気になれなくて、まだ話していない。
でもいつか、全てを話したいと思っている。
その日はとてもよく晴れていて、ちぎれた雲が風に流されて漂っていた。
それはまるで難破船が漂流しているようで、なんだか不安な気持ちにさせた。
でも雲の間から光の梯子が降りてきたのを見たとき、一気に気持ちが明るくなるような気がした。
「綺麗なひかり…」
思わずつぶやきながら職員室の窓の外を眺めた。
こんな綺麗なものを見たのはどれだけぶりだろう。
子供の頃、家族で旅行に行った那須の木漏れ日を思い出した。
あの頃は、まだお母さんも優しくて。
いつも笑顔が絶えなくて。
お姉ちゃんたちも私を可愛がってくれた。
でもいつからか、私は人間として最低限守られるはずの尊厳を無視されるようになり、馬鹿にされ、蔑まれ、孤独になっていった。
お母さんが実の母親ではないのかと思ったこともあるくらいだ。
お母さん。
私、お母さんに愛して欲しいよ。
私は日直だったので、職員室に学級日誌を取りに行った。
春雪に会いたくて、いつもより30分早く登校した。
紅にはまだ全てを話す気になれなくて、まだ話していない。
でもいつか、全てを話したいと思っている。
その日はとてもよく晴れていて、ちぎれた雲が風に流されて漂っていた。
それはまるで難破船が漂流しているようで、なんだか不安な気持ちにさせた。
でも雲の間から光の梯子が降りてきたのを見たとき、一気に気持ちが明るくなるような気がした。
「綺麗なひかり…」
思わずつぶやきながら職員室の窓の外を眺めた。
こんな綺麗なものを見たのはどれだけぶりだろう。
子供の頃、家族で旅行に行った那須の木漏れ日を思い出した。
あの頃は、まだお母さんも優しくて。
いつも笑顔が絶えなくて。
お姉ちゃんたちも私を可愛がってくれた。
でもいつからか、私は人間として最低限守られるはずの尊厳を無視されるようになり、馬鹿にされ、蔑まれ、孤独になっていった。
お母さんが実の母親ではないのかと思ったこともあるくらいだ。
お母さん。
私、お母さんに愛して欲しいよ。