「僕は君の味方だよ」

甘い、優しい声で春雪は言った。

「辛いことがあったら、ここに連絡して来ればいい」

小さなメモを渡された。
そこには春雪の携帯電話の番号とアドレスが書かれていた。

春雪。春雪。春雪。

私の一番大好きな、愛おしい人。

あなたはやっぱり、私が信じた人だったんだね。
「じゃ、僕は行くよ。トイレに行ってることにして抜け出してきたからね」

春雪は私の髪をくしゃくしゃにすると、かわいらしい八重歯を見せて笑った。





春雪。

あのとき、春雪が言ってくれた言葉、今でも私の胸の中にあるよ。

悲しい悲しい物語が、あのときから始まっていたなんて思ってもいなかったよ。

でもね、春雪。

私は今も変わらずあなたを愛してるよ。

きっと、ずっと、永遠に。

もしも、死が二人を離れ離れにしたとしても…。