急いで走った甲斐もあり、私たちは始業5分前に校門の前についた。

校門のところから体育館までは3分あまり。

でも校庭に張り出されるクラス分けの紙を見なくてはいけない。

私と紅は校庭に向かった。


校庭には数人の男子生徒がまだ残っていた。

「おはよー!!」

顔見知りなので一応挨拶をする。

「おう、いろはと紅。おせーぞ」

「そういうあんたたちだってもうすぐ始業式、始まるんじゃないの」

「俺らはいいの。サボり」

「ずるーい」

私が男子と話している間に、紅はクラス分け表を見ていた。

「いろは、やったー!また同じクラスだよっ!!」

「ほんとに?!超嬉しいかも」

私も紅のほうに向かう。
「どれどれ…」

名前の羅列に目をやると、確かに私と紅は同じクラスのようだ。

「担任は誰かなぁ」

紅が視線を動かす。

クラス番号の脇に、担任の名前が書かれている。
「げーっ、岩沢ってあのおっさん!?なんかものすごいがっかりなんですけど」

紅はつぶやく。

私は岩沢の隣にもう一つ、名前が書かれていることに気づいた。

「ねーえ、紅。ここにもう一つ名前があるよ」

「んー、誰ぇ」