窓から覗きながらそんなことを考えていると、一瞬、大きな音がして、部屋中が真っ暗になった。
はぁ?!な、なによ。

私は慌てて部屋のブレーカーを上げに行った。

でもいくらブレーカーをあげても一向に明るくならない。

どうやら電線に落雷してショートしてしまったようだ。

辺りは雷の音と、真っ暗な闇。

私は雷と、暗いところが本当に苦手だった。

やだ、怖い。

どうしよう。

もうパニック寸前だった。

私は慌てて紅に電話をしようと、携帯電話を取り出した。

けれど、いくらかけてもつながらない。

でも、と思う。

もし通じたとしても、紅にこの雨の中、きてもらうのはあまりに酷な話だ。

私は半泣きになりながら、自分の部屋に駆け上がり、ベッドにもぐりこんだ。

怖い、怖い、怖い。

お母さん、お父さん、早く帰ってきてよ。

いつも辛い目にあわされていてもやっぱりこんなときに思い出すのは両親の顔で。

そんな自分がとても哀れに思えた。


私がベッドの中で丸くなって泣いていると、携帯電話が鳴った。

ピロピロピロ〜♪

私は泣きじゃくりながら、携帯電話を手に取り、電話に出た。

「もひもひ…」