アクセサリー屋さんを出ると、次はゲームセンターに向かった。

格闘系のゲームからスポーツ系のゲームまで色々あった。

その中で、キティちゃんのぬいぐるみの入ったUFOキャッチャーが目に入った。

あー、このぬいぐるみ欲しいな。

取れるかな?

やってみようっと。

ボタンを操作しながら狙いを定めてクレーンを動かす。

あとちょっとのところで取れなかった。

がっかりして肩を落としていると、

「ちょっと貸してみ」

と背後から声がした。

私が振り返ると、かずは姉ちゃんと同い年ぐらいの男の人が立っていた。
色が白く、目は茶色。

髪は薄い茶色に染まって軽くクセがあった。

チェックのネルシャツを着ている。

うわぁー、なんだか外人の人みたい。

すごく綺麗な顔。

その人は100円を入れると、ボタンを器用に動かして、キティちゃんのぬいぐるみをとってくれた。


「はい、ぬいぐるみ。欲しかったんだろ?」

頭を縦に振る。

お兄さんは視線を私の高さまで持ってくると、

「まだ小学生だろ、君。こんなところにいたら危ないよ」

私は黙っていた。

だって、お母さんこわいし、塾にも行きたくないんだもん…。