学校に着いて、教室には行かずに朝は誰も来ない棟の空き教室へ。

移動教室で使うから、朝は誰もいないのだ。



「話ってなに」


「あ...えっと、春休みはごめん。いきなり別れてとか言っちゃって」



「あぁ、別に」



そんな事より、美加子のこと重いとか言ったことを謝って欲しいんだけどな。




「美加子と別れてさ...大切さに気付いたっていうかさ。美加子のこと重いって思ってたけど、それが無くなって落ち着かなくて...やっぱ俺、美加子のことまだ好きだな〜って。だから、俺と...もう一回やり直さない?」




は?


散々人に別れる時に重いとか言って、それが無くなって落ち着かない?
美加子のことまだ好き?
大切さに気付いた?


笑わせないでよ。



美加子の中で何かが切れた。




「悪いけど、美加子にその気はないから」


「えっ、だってお前別れてからいつも会うたび俺の事見てたじゃん」



はぁ!?見てたんじゃなくて睨みつけてたんだよ!!


それで美加子がまだ好きだなんて思ったの?自意識過剰にも、ほどがある。

てゆうか、重いってことを訂正してほしいのにそれを肯定されてるのがムカつく。



「だって彼氏とか好きな奴とか流石にまだいないんだろう?」


「美加子好きな人いるから!」



咄嗟に自分の口から出た台詞。

好きな人...




「は...マジかよ。美加子の事だから未練タラタラかと思ってたのに...」



そっか...そっかそっか。

美加子...好きなんだ。



もし、元彼と別れてなかったら会うことが無かったかもしれない。




美加子は旭先生の事が好き。



「俺と付き合ってた時から?」


「そんなわけないでしょ。ちゃんとフられるまであなたの事好きだった。美加子は重いって言われたのがショックだった。今も...」




簡単に終わらない、お互いが好きな付き合いをしたい。


恋愛って難しいね。