私の席は廊下側から2列目の後ろから2番目だった。
さりげなく見ちゃったけど、折原君は廊下側1列目の前から2番目。
列は近いけど遠い。
もし、近くだったら少しは話せるかなって思ったけど、そんな上手くはいかないか。
3年生とはいえ7組もあるからやっぱり知らない顔も沢山ある。
窓の方では女子のグループが何個か出来てるし男子は...折原君を中心に話してるな。
あとは静かめの子達が席でポツポツ。
中学生になって学んだことは、早く友達を作らないと出遅れるってこと!
「美月〜また同じクラス〜!」
黒板の所から高い声を上げて手を振りながら女の子が走ってきた。
「え、美加子!うそ!同じクラス!?」
「そーだよー!名簿見て美月の名前あって喜んだんだからね。席もまた前♪」
美加子は、私の前の席に座った。
小林美加子は2年生の時に仲が割とよかった子で名前順が前後。2年生の最初も席が前後で仲良くなったんだ。
折原君が私が6組だって教えてくれてそれを確認しただけだから誰がいるとかはちゃんと見てなかった。
「美加子と一緒でよかった。ぼっちになるかと思った」
「美加子も〜」
美加子はふふと笑う。
夏葉とは正反対でフワフワした感じで優しい子だ。
私の方、つまり後ろを向いて話してたから後ろの男子達に気付いたのか美加子は小さく『あっ』と声を発した。
「どうしたの?」
「彰人君と同じクラスなんだ。美加子達ラッキ〜♪」
達...?って私も含まれてるの?
「どうしてラッキーなの?」
「ふふ、だって彰人君と同じクラスだとね、違うクラスの子に羨ましがられるんだよ。ほら、彰人君人気者だし」
確かに。あんなに男子が群がっちゃってるし、人気者...なんだな。