「咲宮さんよろしく」


わたしの隣で微笑む男の子。
伶太君とよく一緒にいる人。

確か...彰人...折原彰人くんだ。


何となくそのまま流れで4人で校舎に入り、階段を上がって6組まで来た時に夏葉と伶太君と別れた


あの2人は仲がいいかもしれないけどさ
私は折原くんと喋るほど仲良くない。
てゆーか、実はさっき初めて話したんじゃないか?


教室に入らずに2人の後ろ姿を見てた。


「あの2人。もーすぐ付き合うんじゃない?」


「え?」


「ん?気付いてなかった?あの2人とっくに両想い...」


「やっ、やっぱり!?私もそうなんじゃないかと思ってた!」


そうだよね!折原君は伶太君と仲が良いから知ってて当然だよね。

やっぱり、伶太君は夏葉のこと...。

顔が緩むのが自分でも分かった。


「嬉しそうだね?」

「そりゃ嬉しいよ!両想いになってほしい2人が両想いなんだもん」


折原君は嬉しくないのかな?


「まあ、俺も嬉しい」


何だろう。不思議。私達初めて話したのに、同じこと考えてた。


「教室、入ろう」

「あ、うん」


ついつい、折原君の優しい横顔に見とれてしまった。

折原君の後ろについて教室に入ると、それに気付いたのか近くにいた男子達が折原君の周りに集まってきた。

私はそれを見ながら自分の席を黒板で確認して席に着いた。