「まだそんなこと言ってるのか」
重い低い声。怒ってるのか、それは分からないけど泣きそうになったのは事実。
「違う学校に行ってもっと沢山の事を勉強したいの!私、勉強なら頑張るから!教師になりたいの!」
「ダメだ。外部受験は認めない」
嘆き?説得?願望?
でもそれは、お父さんには届かない。
私をお母さんと重ねないで。
私はお母さんとは違う。
悔しい。上手く言いたいのに言葉が見つからない。こんなのきっと子供の我儘にしか思われてない。
気付いたら涙が出てた。
私はそのままテーブルに進路希望調査表と、先生から貰った紙を置いてリビングを出た。
部屋に戻ってベットに突っ伏した。
涙で視界がぼやける。
どうして、お父さんはあんな風になっちゃったんだろう。
どうして、私が教師になることを反対するんだろう。
どうして、私を避けるんだろう。
ボーッとする頭で多くの疑問を考えながらいつの間にか寝ていた。
また夢を見た。
《今の私》は
またリビングに入れなかった。
あの食卓を囲んでた頃に戻りたい。
幸せだった過去の夢。
叶うことのない願い。