「あとで見ておくから、そこに置いときなさい」
相変わらず背中を向けたままだった。
私は部屋に戻って鞄から進路希望調査表と今日先生にもらった紙を一緒に持ってリビングに戻った。
「せ、先生に...外部の高校受験も考えてみろって言われたんだけど」
「必要ないだろ。お前に合ったレベルだと思うし、わざわざ外部を受ける理由なんてないだろ」
外部を受ける理由...。
やっぱり、隠したままじゃダメだよね。
「教師になりたいの」
カラカラの喉。
緊張で上手く声が出ないと思ったけど、それだけは言えた。
すぐに心臓がドクンとなって動けなくなった。
お父さんが、私を見たから。
その目が怖くて、動けなくなった。