今の時点で分かってることは、お父さんに進路希望調査の事を伝えて親のハンコを貰わなきゃいけないこと...。
頭の固いお父さんのことだから私がもっとレベルの高い学校で勉強したいって言ったらたぶん喜ぶとは思う。
だけど、それが《教師になるため》だったら....きっと反対する。
でも私はやっぱり...教師になりたい。
だから話し合うしかないか。
そんな事を考えながら、廊下を歩いて、委員会の教室へとたどり着いた。
中を見ると後ろの方に折原君を見つけた。同時にその前に座って話している伶太君の姿。
「あ、咲宮こっち」
空けられていた折原君の隣に座る。
「お、相方咲宮だったのか!」
伶太君も驚いてるけど、私も少し驚いた。ぶっちゃけ伶太君ってクラス委員ってガラじゃないから。
「朝はありがとな。夏葉から聞いたと思うけど付き合うことになりました!」
伶太君は嬉しそうに、ピースサインを出してきた。
「おめでとう。ホントに良かった。伶太君、夏葉のことよろしくね」
「おう!あ、てかさ君付けやめね?」
「え、伶太君て?」
「そう!なんか仲良くなったのに固い!伶太でいーよん」
伶太君の中ではもう、仲良くなったカウントになってたのか。
夏葉を通じてでしか話したことないけどそれはそれで良かった。
「が、頑張る」
「あはは、頑張ることでもないけどな」
呼び方か...。
確かに、《くん》《さん》とかだとちょっと固いのかな。
呼び捨てだと仲がいい感じはする。
伶太君はフレンドリーな人だもんな。