昼休みになって、夏葉が教室にやってきた。

教室は沢山、人がいるから中庭に移動して食べることになった。


中庭に移動する途中、『で、どーなったの?』って何度も言いそうになったけど我慢した。


中庭のベンチに腰掛ける。
風が吹いて上履きに桜の花びらがくっついた。



「...あのね、すごい気になってると思うんだけど」


気になってます!
私はうんと返事をしながら心でそう思った。



「伶太とちゃんと話してさ、私が思ってること全部ぶつけて、そしたら伶太も思ってること言ってくれて。じゃあ2人で解決していこうかって」


「か、解決...?つまりは?付き合ってこと?」


夏葉は顔を真っ赤にして俯いて、小さく首を縦に振った。



「っきゃー!!!やった!おめでと!」


気付いたら私は夏葉を抱き締めていた。


「あ、ありがとう本当に。美月のおかげだよ。伶太もそう言ってた」


よかった...。
あんまり自信なかったけど、2人の力になれたみたいだね。


きっと、付き合うだろうとは思ってたけど、実際に聞くとこんなに実感がこみ上げてきた。何より嬉しさが大きい。