これじゃあ、全然見えないっていうか、中に入るのも時間がかかりそうだな。
「すっごい人だねー。ちょっと早めに来ればよかったね」
先生達が『見たら早く教室に行きなさい』と呼びかけるくらい。
少し待ってようやく見えそうになった時
「あ、羽崎!と咲宮おはよう!」
横から聞こえた声に私も夏葉もそちらを向く。
視線の先には伶太君が笑顔で手を振っていた。
「おはよ!伶太」
「俺たち同じクラスだったよ。7組!」
「え!ほんとに!?」
わっ。夏葉やったじゃん!
夏葉も嬉しいと思うけど、なんだか私も嬉しい。
私は...っと。
咲宮、咲宮....
順番に1組から自分の名前を探す。
3組まで見たけど自分の名前はない。
ここまで来ると、自分も7組なんじゃないかという期待が生まれてくる。
「咲宮さん、6組だよ」
え?