「咲宮...すっげーな」
「えっ?」
隣にいた折原君が目を丸くして私を見ている。
そういえば、伶太君が行ってしまったからここからは2人で登校じゃん!
「俺が何言っても、モヤシみたいだったのに...」
「ぷっ、モヤシって」
つい笑ってしまった。けど、同じように折原君も笑っていた。
「流石だな。咲宮は。周りがよく見えてる。これであの2人は大丈夫だな」
折原君は腕を組んで、うんうんと何かを納得している。
てか、流石とか周りがよく見えてるとか
私、褒められちゃった?
なんか...嬉しいかも。
なんて歩いていると学校について、一緒に階段を上がった。
2人って事もあって、周りからの視線が刺さっていたような気がする。
けど!今日は仕方ないよね!って自分に言い聞かせて気にしないように頑張っていた。
それに折原君は道行く生徒たちに挨拶を沢山されていた。
本当に友達も多くて羨ましい。
自分のクラスに入る前に7組をチラッと覗いてみたけど夏葉も伶太君の姿もなかった。
きっと、どこかで話してるんだろう。
でもHRには遅れないようにね...?