私は2人の所まで歩いた。
伶太君は立ち尽くして夏葉の後ろ姿をポカーンと見ていた。
「おはよう咲宮」
「おはよ2人共」
「羽崎、なんであんなダッシュして?」
「そ...れは...」
もう一度、伶太君を見ると、頭を抱えて落ち込んでいる。
「あ〜!完全にしくった〜!ほんっと俺のバカ!!」
そう、悔い嘆いている。
「とりあえずさ、話しながら歩かね?このままじゃ3人揃って遅刻する」
折原君の提案に私達は歩き出した。
ていうか、なんとも変な光景だろうな。
夏葉を抜きに、この3人で登校するなんて。
最初に口を開いたのは意外にも落ち込んでいる伶太君だった。
「なぁ咲宮...俺どーしたらいんだろ。完全に嫌われたよな」
嫌われてはないと思うけど。
「金曜日もさ、一緒に帰れたのが嬉しくて舞い上がったのもあるんだけど、なんかこう...やっぱ好きだな〜って思って」
あら、素敵。
「気付いたら告ってて。とっさに返事は今じゃなくていいからなんて逃げちったんだけど...」
あれ?
「返事を保留にした意味ってそーゆうことだったの?」
「いや、もちろん、ちゃんと考えて欲しいって気持ちもあるよ。俺からちゃんと告る気でいたし。でも...早すぎだよ流石に。まだ2人で出かけたこともないのに。あ〜...もう何やってんだ俺」
頭をガシガシとかいて考え込んでいる。
ある意味、こんな伶太君初めて見た。
それだけ夏葉のことが好きってことか。