沢山の恋をすると次の恋に進むことや、
目の前の好きな人と結ばれることも少しの恐怖になってしまうのかな。


何だか...それは切ないな。



「とにかくさ!そうやって伶太君に話してみたら!?伶太君も夏葉の気持ち知りたいと思うし。上手く言えないけど、夏葉がそんなに悩むのって本当に伶太君のことが好きだからだと思う」


私の言葉に夏葉は小さく頷いてくれた。


私は恋をしたことがないからあまり良いアドバイスは出来ないと思う。


私も恋をして、ビシッと的確なことが言えたらいいのにな。




話で中断してしまったけど、そのまま朝食をとって着替えて2人で私のマンションを出た。


夏葉は普通にしているけど内心めちゃくちゃドキドキしてんだろうな。

しかも伶太君と同じクラスだし。

ちょっと気まずかったりするのかな。



「あ....」


小さく聴こえたその声に彼女視線の先を私も追う。


私達の前を歩く伶太君と折原君の姿。


私もあの、居残りの日以来見かけるのは初めてだから少しドキッとしたのは言わないでおく。



「美月...私、やっぱまだ無理だよ!」

「えっ!」


隣にいた夏葉は走り出して前の2人の横を抜けて全力で走っていった。


その姿に私も2人も足を止める。


あの2人が振り向いたら気付かれるからそれよりも先に走った?

いや、不自然すぎでしょ!夏葉!



後ろから走ってきたの?と振り向く折原君と目があった。