それから部活の話や行事の話。学校にまつわる他愛のない話をした。



折原君のこと知ってたけど、今日初めて話したのに、こんなに会話が出来るなんて思ってなかった。

美加子が言うように《クラスの人気者》と言われるだけある。



2人っきりの教室。

時々起こる沈黙の中でホチキスの音や紙の擦れる音だけが聞こえていた。


窓ガラスを後ろに目の前に座る折原君は少し逆光にかかって、でも光に当たって少し光る黒髪も長いまつげも大人っぽい整った顔立ちも、全部《綺麗》だと思ってしまった。


男の子を《綺麗》だなんて、失礼かもしれないけど、そう思ったのは初めて。


この時間、折原君に見とれていたのは、
私だけの秘密。