気がつくと、瞼が重くて、美加子の部屋の天井じゃない。


...ここどこ。




「あ、起きた」


「!!」



いきなり旭先生が現れるからびっくりした。


「覚えてる?お前熱あるよ。サボってるかと思ってたら本当に具合悪かったのな」



身体を起こすと、保健室のベッドの上。
時計は昼休みをとっくに超えてたぶん今は6時間目くらい。


熱...。
ずっと仮病使ってたからバチが当たったのかな。



「藤田先生と...ナナさんは」


「校内見学?終わったらそのまま部活に顔出す予定。保健の先生用事でいないから俺が見てることになって」



「...」



現実に引き戻されて、自分がやってしまった事がジワジワとのしかかってくる。


美加子、いろんな勘違いしたあげくに、ノートぶちまけて、旭先生に...





「にしても、ナナを女って勘違いするなんて笑えるよな」


「っな!だって、ナナって女の名前だし、それに最初に助けてくれた時に美加子のことナナって言うからてっきり...!」



「そーだっけ?咄嗟に出た名前が男のなんて。俺どんだけあいつのこと好きなんだよ」




「それに、俺も会いたいとか塾で言ってたじゃん!」



「あーそれは藤田先生にな。今から一緒に会いに学校行こうって言われたけど俺バイトだし、だから待っててって」



な、なんだそれぇ〜!!!



「小林さんて、勘違い屋だね」



旭先生が笑うから、何だか美加子も馬鹿らしくなって笑った。



勘違いは解けた。


でも、まだ先生に伝えなきゃいけないことがある。




「先生...美加子、先生のこと」



「なんかさ、小林さんって見てて面白いし、泣きそうになったかと思えば、すぐ笑顔になるし、努力家だし、そーゆうとこ好きになってくれる奴いっぱいいるんだろうな...。だから、これからも頑張れよ」



「....…………それって...え!美加子のことフってるつもり!?」



「だって、お前、俺大学生だぞ!中学生に手出したら犯罪だろ!」


「犯罪じゃなぁーいっ!!最初、美加子のこと高校生だと思ったくせにぃ!」





先生と生徒。

22歳と14歳。

そんなの美加子にとっちゃ関係ない。


重い女とか、軽い女とか

好きの大きさとか


そんなのもう気にしなくていいや。



この人を好きでいる内は振り向かせてみせる!



美加子はこの人が好き!



そう思う相手に出会えた。

それが運命の恋。







【END】