こないだ美月に恋を教えてって言われたけど、美加子が1番分かってなかった。


恋ってこんなに苦しくて、辛い。


ケータイの電話帳を開いては《沢田旭》の名前を見つめるだけ。

もう、消しちゃおうかなって何度も思った。

でも、心のどこかで会いたくて



でも、彼女がいるならもうお終いじゃん



塾に行かなくなって、2週間経った時に
メールが来た。




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From 沢田旭
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最近見かけないけど、
サボってんだろ(-_-)

早くその風邪なおせ

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バレてる...。


休む時の理由がいつも風邪。だから。
塾長は騙されてくれてるけど普通に気付くよね。塾長は優しいから何も言わないけど。


おかしいな。
こんな気持ちになってでも、先生からメールがきて嬉しいなんて。


美加子のこと気にかけてくれてる。


なんて、自惚れちゃって馬鹿みたいだ。











「小林さん。あなた日直ね。今集めたノート職員室に運んでおいて」


「はーい」


昼休みなくなっちゃうから急ごうっと。

クラス分のノートはそんなに重くは無いけど。
日直なんてついてないなー。


廊下を歩いて職員室の近くまで来ると、
藤田先生が男の人2人と話している。



「沢田も金井も変わらないな〜」


よく見ると、旭先生ともう一人男の人。
旭先生は相変わらずPコートにマフラーを付けている。


何で旭先生がここに!!??



「お、小林。ノート運びか?」


藤田先生が私に気付くから、2人も私に気付く。つまり旭先生と目があった。



「小林さん?」


「...こ、んにちは」


「何だ、お前ら知り合いか?」



「俺が今バイトしてる塾の生徒さんです」


「おー!そーだったのか!小林!沢田はここの卒業生でお前の先輩だ。そうかそうか小林が成績上がったと思ったら沢田に教わってたのか!」



...その通りですけど!
藤田先生何一人で納得しちゃってんの!


てか卒業生!?ここの!?
知らなかったんですけど!


でも、よく考えてみれば美加子、旭先生のこと何も知らないや。





「風邪は治ったの?メールも無視ですか?」



...お、怒ってる?