「小林さん、いつまで残ってんの?もうみんな帰ったよ」
「あっ明日当たるから、予習!」
教室を覗いた旭先生はそのまま教室に入ってきて私の前の席に座った。
「へぇ...出来てんじゃん」
「ほんとにっ!?」
旭先生が勉強を教えてくれた日から美加子はやる気に満ち溢れている。
予習とかやったことなかったし、宿題もいつも適当だった。
塾も行くのが嫌々だっけど、今ではすごく楽しみになってる。
「...先生、メアド教えて」
「敬語」
「いてっ」
先生の右手がチョップとなって美加子の頭にヒットする。
これは先生の癖。
助けてくれた時もそうだった。
「メアド教えてください!」
「ダーメ」
「なんで!」
せっかく2回も聞いたのに!
「生徒には教えない主義だから」
「...アルバイトじゃん」
「それは言っちゃダメ」
何だよ何だよ、いいじゃんメアドくらい。しつこくメールなんてしないし、美加子重い女は卒業したもん。
なんか悲しくて涙目になっちゃった美加子を見て、先生はビックリしてたけど、降参したようで。
「....分かったよ。じゃあ次のテストで全教科80点以上取ったらな」
「っほんとにっ!?約束だからね!」
「はいはい」
全教科80点以上...
美加子にとっては、かなりキツイ条件だけど頑張るしかでしょ!
それから分からないところは学校の先生とか塾長とかに聞きまくって、自分でも勉強したり、優秀な美月と勉強会したり
美加子の中では、人生で1番勉強をしてる気がしてた。