春は苦手。
新学期。
クラス替えがあるし、こんな晴れた朝だけと私の心は、少し憂鬱なんです。
太陽の光がまぶしいなぁ。
「おっはよ!!」
「わ!」
いきなり顔の前に現れたかと思いきや、すぐに私の後ろに回ってガバッと抱きしめてきた。
「なになに!もう!なにこれ!」
「みつきぃ〜いやぁ久しぶり!」
「はいはい、久しぶり」
朝から元気だな〜と思うくらいな行動をとったのは友達の夏葉。
1年生の頃から親しい仲。
「ちょっとちょっとー元気だしてこー!ほら、久しぶりに私に会えたんだよー?」
抱きしめられる腕に力が入って揺らされる。
「わ、分かったから、恥ずかしからもう離してっ」
私は夏葉の腕を掴んだ。
すると彼女の手は離れて、私の前に立ち『じゃあ行こっか!』と笑顔を向けた。
いつも朝は一緒に登校している。
春休みは夏葉は旅行に行っていて、こうして会うのは2年生の終わり以来。
だからって抱きつかなくても...ね?
そんな可愛い行動をとる夏葉は顔もこれでもか!ってくらい可愛いわけで。
パッチリな丸い目にフワフワの髪。明るくて素直な性格。まるで少女漫画のヒロインのような女の子。
人見知りの私に最初に声をかけてくれたのは夏葉だったな。