「春人も学校でしょ?」
「うん」
起きて、春人が朝ごはんを作ってくれた。
トーストに、目玉焼きと焼いたベーコンをトッピングしたものと、ココア。
料理もしちゃうんだ。
「ねぇ、思ったんだけど」
「……なに」
「春人って彼女とかいないの?」
焼きたてのパンをかじるとパリッと香ばしい音がした。
春人は表情を変えず「いないよ」とだけ返事をした。
……へぇ、いないんだぁ。
いそう、なのに。
もし彼女がいるなら、私なんかが転がりあがっていることを知ったら、ケンカの火種になりかねない。
まぁ、いないなら……よかったけど。
「莉緒」
「ん?」
「これ」