しかし簡単に、 情を切り捨てられないのが 人間というものである。 「ここではなんですから、 向こうの公園へ行きませんか?」 第二の美里がそう言った。 「えぇ、そうね。」 私はそう返事をしたあと、 誰にも気づかれないような、 小さなため息をひとつ漏らした‥‥‥。