時間ギリギリに、
教室を出た4人。

「ハゲに怒られるぞ〜」

「まぢ…あのハゲ嫌いだ。」

優征が呑気に走り、
萩弥はやはり先生の文句を言う。

俊と洸汰は、ダラダラ後ろ歩く。

「俊、きっくー急げ〜」

外の廊下で、優征が手を振って呼ぶ。

小走りで走り始めた俊と洸汰。

すると…

ドスッと誰かにぶつかった。

「いったぁ…」

尻もちをついた女の子。

咄嗟に彼女に手を伸ばした。

「大丈夫か?」

手を取り、
立ち上がる彼女からは
ふんわりと優しい香りがした。

シャンプーの匂いだろうか。

いや、
この匂いは
柔軟剤であることを知らない俊。