優征が萩弥に
“洸汰が無視した‼︎”と
ずっと文句を言う。

それを無視する萩弥。
隣では、真剣にゲームをする俊。

「最近は…
いろんなところ散歩している。」

数学の参考書を見ながら
そう呟いた洸汰。

「「「散歩?」」」

俊は、ゲームをストップして
洸汰を見た。
滅多に外を出歩かない人が
“散歩”という単語を使ったのだ。

「散歩って…どこを?」

優征が聞くと
洸汰の頬が緩み笑った。
その笑顔は、
いつもの見ている笑顔ではない。

「内緒だ。」

3人は、ぽかんとして
洸汰を見つめた。