家に戻った私はまず
おっさんに色々聞きたいことがあった。




「あの…私はなんでこんな場所にいるんでしょうか…確か日本に住んでたはずなんですが…。」


控えめにキリカが聞くとアストラス(おっさん)は真剣な顔になりこの質問に答えてくれた。


『あぁ…あそこはニッポンという国なのか…。』



『すまない、私は君の力がひつようだったのだ。』


「だから私をこんな場所につれてきたんですか…なぜ私なんかを?」



『それは…。』




おっさんは言いにくそうな顔をしてから







『君が、イブの器を持つものだからなんだ。』


「イブの器?」



『この世界、特にこの街エブリロード・フィルは純血の人間は全くいない、今はクローン人間時代でね、そして君も見たと思うがこの街には人間以外の知能を持った種族がいる。』



淡々と話を続けるおっさんについて行けるように必死に睡魔を抑えた。



『それらは人間と争うこともなく比較的友好関係で結ばれているが、人間クローン化が始まりある種族が終を迎えそうになっていたんだ、それは…』


「…?」


『わかりやすく言うと、取り憑く者達
いわゆるゴーストや悪魔と言った種族だよ。』




『ゴーストや悪魔は人間に対していいイメージはないが本当はそんなに怖くなく友好的だったがそいつ等は
憑いたり、従ったり、…いろんな意味で共存してきた。
だがクローン人間が現れ彼らは憑く物がいなくなってしまった。』





『クローン人間は感情らしきものはあるがそれは虚偽の感情であり本当の感情ではないつまり、つけ入る場所が無いということだ。』



「…。」



『共存せずとも生きて行けるものもいたが大半は人間なしでは生きられず種族は絶えていってしまい…どうしようもなくなった種族達は人間を共存するものを求め
裏の世界、君がいた世界に求めに行ったのだ。』



『つまり…私も…。』




「…ぐぅ。」




フッ…アストラスは寝てしまっているキリカを抱きかかえてベッドに寝かせ、
額にキスを落とし、
部屋を後にした。