「ねぇ…!」
こちらを誰一人見向きもしてくれない。
「なんで!ままぁー!」
みんなが私に背を向けた。
「ねぇってばぁー!」
一人の女の人が私を睨んで去っていった。
「誰も見てくれない…ママっ」
「私はここにいるよ!!皆私を見捨てないで!」
「私はちゃんと存在してるのに…まるで
この世界から放り出されたみたい…」
きっと私の存在理由なんて無いんだ。
ただ生きるだけのお人形みたいに。
「誰?この子」
「知らなーい」
「親戚とかいないんじゃない?」
「可哀想だわー」
同情するひと、クスクスと笑う人…。
誰も手を伸ばしてくれない。
「君はいらない存在なんだ…。」
やめて…私は
「はやく楽になろ?」
まだ…生きたいよ!
「存在なんて無いくせに」
やめて!!!
「はっ!!」
3時00分
時計を見るとまだこんなじかんだった。
また昔の夢を見ちゃった。
小学4年のとき、私は里親に貰われ育てられ
不自由のない暮らしをおくれた。
生まれてすぐ親が離婚して、
4歳の時に母に捨てられた。
親戚なんていなくて、本当の父親も
分からない。
幼稚園にも通わない私を知る人なんて
誰もいなかった、親もいない、親戚も。
孤児院に入れられてからも
私は一人だった。
ずっと…。
里親に拾われて、親というものを知って
存在を認められても、
何故か私は寂しかった。
それから中学生になる頃には、性格も
比較的明るくなって、笑うようになった。
友達もすぐ出来た。でもなんだか…。
「なにしてるの?」
「えっ?何も?」
「うん何もしてないよ?」
ササッと何かを隠した。
「そっか…。」
きっと私はずっと友達なんて居なかったんだ。
ただの穴埋めに過ぎない。
こんな世界が嫌だった
ただ生きるだけ何も無い世界
平凡な日常。
誰も求めない平凡。
「こんな平凡な世界滅びちゃえば
いいのにな」
目を開けるとそこには、仮面を被る
変な男のがいた。
夢だと思い、もう一度目を閉じた。
『おやおや?もう一度眠るのかな?
それはいけないな。』
「?!?!」
私の退屈な世界を壊してくれたのは
紛れもない、アストラスだった。