9時10分




「ただいまー!!リックー!」






『その娘は…。』



「なんか他の奴らと違って訳ありそーだから拾ってきたー。」


「…トロール…悪いやつにおそわれてた。」


『…いつもなら怒ってる所だが…助けてたのなら話は別だ…。よくやった。』



「よかったー!また怒られるかと思ったぜー!」


『でも拾いグセは治すようにな』


すごい目つきで言われてビクッとなった
キラは「わーってるよ…。」と言って
縮こまった。






『羅絶。この娘を寝かせてやってくれ。』


「あっ!はい…了解しました。」









紺色の髪の子に近づくと微かだが俺の血が
騒ぐ感じがした。


しかも…結構可愛いような幼い顔立ちをしている。





そっとベッドに寝かせると、規則正しい
寝息をたてて寝ていた。





こうしていると妹の事を思い出す。



「すー…すー。」


男女2人きりの空間に少しドキドキしていた
羅絶は「触れてみたい」という感情が
湧いた。
羅絶は16歳年頃の青年だ。こういう感情が湧くのも仕方がない。



「うーん…やっぱダメだよなー年下っぽいしー…。」



羅絶は悩んだ、今までは妹とずっと一緒にいて、妹以外の異性と関わりを持つ事はなかったが
妹と離れてから異性と関わる機会ができ、

この状況に対する緊張と好奇心が混じっていた。




どうしたものか…俺…目つき悪いし…不器用だし、でも…結構タイプ…ってそんなこと
考えたら駄目だ!俺っ!耐えろっ…


羅絶は自分のなかの好奇心、理性と戦っていた。



「でも…少しだけ…ほっぺぐらい触っていいよな…。妹のほっぺもよく触ったこと
あるし…」

誘惑に、負けてしまった。



ぷにぃー…

おおー柔らかいっ!

ぷにぷに…

感動して何回か触っていると、寝ている
キリカが


「んん…」と声を出した。


ビクッと、驚きドッドッドっと心臓が鳴る。

びっくりした…でも可愛いなぁ…。


やはり好奇心や理性には勝てなかった羅絶



おでこにキス…ぐらいなら…当たり前かな


と、変な方向に思考回路がまわっていた。

両手をベッドにつくと微かに

ギシッと音がなり、余計に変な感じになる。


キリカに顔を近付けお互いの息がかかる
距離までつめた。
その時


「っうーん…」

微かにキリカの目が開きびっくりして
慌てて距離をとった。




「あっごめん…起こしたかな?」

驚かさない様に優しく声をかける。



表情には、出てないが羅絶はかなり焦って
罪悪感と羞恥心でいっぱいだった。



「あの…ここは?」



あっ良かったバレてないみたい…ホッと
安心し、いまだにドキドキしてる心臓を
感じていた羅絶であった。