「大丈夫か???ここ、プールに砂場があるっていう特殊なプールだからチャラい奴が湧きやすいんだ。気をつけろよ。」

田尾くんってこんなに優しかったっけ…


「うん!ありがとう!ねえ、一緒に遊ばない?」

私は、プールより砂場で遊んだ方が好きだから折角だと思い、田尾くんを誘った。

「砂場でか?」

「そう!砂場好きなんだ。」

田尾くんが驚いた顔をしている。

「っあはは!砂場好きとか子供かよ。」

「……好きだよ。」


言葉が出なかった。今思うと、私はこの一瞬で田尾くんに心を奪われてたのかもしれない。

「いーよ。遊ぼうか!」

高校生になって、友達に砂場が好きって言ったら皆バカにした。
今の時代はアウトドア派の人が多く、肌が汚れるのが嫌だという人が多い。
しかし、田尾くんは砂場が好きな私をバカにしなかった。