「お義母さん…」
双生くんにお義父さん、お父さんも異論はないようで、先輩の言葉の後にうなずいてくれた。
「ママ、ダメなの…?」
玉生が服の襟元を引っ張る。
「…いいよ、玉生ちゃん。幼稚園、行こう」
「やった~!」
「一夜くん、いいよね?」
「ああ。春から幼稚園だな、玉生」
「うん! パパ、ママ、ありがとう!」
…そんな鴫城家のご厚意のおかげで…。
「続いて、養護教員の鴫城日向先生です」
私はもう一度、新任教員として烏間高校で働くことになった。教頭先生から紹介され、私はその場で一礼した。
「…鴫城先生、どうぞ」
隣からマイクが手渡される。
「…え~と、皆さん、おはようございます!」
「おはようございま~す」
「おはようございます」の「ご」くらいでハウリングが入ったが、生徒の皆は特に気にする様子もなかった。
「今日からこの烏間高校で養護教員をさせていただくことになりました、鴫城日向といいます。実は以前もここで働いていたのですが、事情で少し休んでいて、そして戻って来た、という感じなんです。ですが皆さんとお会いするのは初めてなので、まっさらな気持ちで頑張ろうと思ってます。…よろしくお願いしみゃす!」
その瞬間、目の前の軍団がクスクスと笑いだした。
「…えっ?」
さっき起きたことを回想すること、三秒。
「…ひゃぁっ、噛んじゃってた…」
あの日と同じミスを、もう一度犯してしまった。
…焦らず、ゆっくり、一人前になっていくとしよう。養護教員としても、母親としても。
双生くんにお義父さん、お父さんも異論はないようで、先輩の言葉の後にうなずいてくれた。
「ママ、ダメなの…?」
玉生が服の襟元を引っ張る。
「…いいよ、玉生ちゃん。幼稚園、行こう」
「やった~!」
「一夜くん、いいよね?」
「ああ。春から幼稚園だな、玉生」
「うん! パパ、ママ、ありがとう!」
…そんな鴫城家のご厚意のおかげで…。
「続いて、養護教員の鴫城日向先生です」
私はもう一度、新任教員として烏間高校で働くことになった。教頭先生から紹介され、私はその場で一礼した。
「…鴫城先生、どうぞ」
隣からマイクが手渡される。
「…え~と、皆さん、おはようございます!」
「おはようございま~す」
「おはようございます」の「ご」くらいでハウリングが入ったが、生徒の皆は特に気にする様子もなかった。
「今日からこの烏間高校で養護教員をさせていただくことになりました、鴫城日向といいます。実は以前もここで働いていたのですが、事情で少し休んでいて、そして戻って来た、という感じなんです。ですが皆さんとお会いするのは初めてなので、まっさらな気持ちで頑張ろうと思ってます。…よろしくお願いしみゃす!」
その瞬間、目の前の軍団がクスクスと笑いだした。
「…えっ?」
さっき起きたことを回想すること、三秒。
「…ひゃぁっ、噛んじゃってた…」
あの日と同じミスを、もう一度犯してしまった。
…焦らず、ゆっくり、一人前になっていくとしよう。養護教員としても、母親としても。