そして、訪れた第一回保健委員会の当日。

「確かここだったよね…」

場所を何度も確認し、集合場所である化学実験室に入る。

「一応十二時五十分に集合とは言ってるけど、結構皆早く来るの。四十五分くらいには、多分全員集合してるんじゃないかしら?」

時計を見る。現在時刻、十二時三十五分。

「…急がないと…!」

四十五分に全員集合ということは、四十分からちらほら来るということだ。早くしないと、また私の段取りの悪さというか、おっちょこちょいな一面が出てしまう。

「そんなに焦らなくていいって、日向ちゃん。今日は委員長と副委員長を決めるだけだから」

…もうすでに、その部分は如実に表れていたようだ…。

十二時四十五分。鴫城先輩の予言通り、各クラスから二名選出された保健委員が全員集合した。

「えっと、それでは、今年度の第一回保健委員会を始めたいと思います」

実験室のイスに座ったまま、生徒の皆がお辞儀をした。

「今日は第一回なので、委員長と副委員長を決めたいと思います。三年生からしか選出できないようになっているんですが…誰かやりたいって人はいますか?」

問いかけるが、誰の手も上がらない。高校時代の記憶がまだ新しい私には、こうなることの予測はついていた。

…が、ふと右を見ると、鴫城先輩が何やら口をぱくぱくと動かしている。それが向いている先は、鴫城くんと鶴花さんだった。

「先輩?」
「いつもこんな感じで停滞するから。こういう時こそ、息子の出番ってものなの」