その日の帰り、お菓子の材料を売っている専門店に足を運んだ。


我ながら単純だなと思うけど、桐生君が食べてくれると思うと張り切ってしまう。


ここに来ると目移りしてしまって、目的以外の材料までつい買ってしまいそうになる。


今日もフラフラいろんなところに足が向いてしまったけど、何とか目的のもの以外は買わずに済んだ。


早く家につかないかな〜。


いつも以上に足が軽くて、気分もルンルンしている。



「なぁにしてんの〜?」



この一言で楽しい気分は一気に急降下。


チャラチャラした男どもが空気も読まずに話しかけてきた。


家の近くにある高校の男子生徒。


家の最寄り駅でこうして話しかけられたのは何度目だろう。



「邪魔。」

「遊び行こぉよ。」