「み、見掛け倒しで味の保証はしないからね!? 不味くても文句は受け付けませんから!!」

「自分からやるっつっといてそれどーなの? お前マジうけんだけど。」

「要るの!? 要らないの!?」

「あはは、サンキュー。」



桐生君の笑った顔は何度も見た事がある。


でも今の笑った顔はお日様みたいにキラキラして見えた。


男の子の笑顔に見惚れたのなんて初めてだ。



「そ、それより、今日来るの遅かったね。 購買込んでたの?」

「あー……いや、途中知らない女に捕まった。」

「え!? 捕まったって何!? 何かされたの!? 大丈夫!?」

「『何かされたの!?』って……お前の発想力には驚かされるわ。」

「じゃあ目的何?」

「告られただけ。 断ったけど。」

「あ……そういう事ね。 断るなんて勿体ない。」

「好きでもない奴と付き合うとか時間の無駄。 めんどー。 意味無し。」



それって桐生君を好きになって告白したって実らないって事?


そう思うとほんの少し胸の奥がチクリとした。