放課後。

私は、友達の松永可南子【まつながかなこ】ちゃんと一緒に帰っていた。

カナちゃんも雪間くんに憧れている一人。

私は、可南子ちゃんを『カナちゃん』と呼んでいる。

だけど、カナちゃんには、ちゃんと彼氏がいてる。

「はぁ~、雪間くんって、いいよね。目の保養。結はいいなぁ。いつも雪間くんに構ってもらって。」

カナちゃんはそう言うが、

「カナちゃん、冗談じゃないよ!私は迷惑してるの!雪間くんが必要以上に構ってくるから、女子たちからの風当たりがキツいんだよ。」

そうなのだ。

雪間くんが、私に構ってくるようになってからというもの、女子たちから睨まれていたのだ。

一番は、上級生の南方麿理子【みなみかたまりこ】先輩に睨まれている。

南方先輩は、雪間くんのことが、本当に好きらしく、女友達数人と一緒に、私を呼び出して、

『雪間くんに近づかないで!!』

そう言われてしまったのだ。

あれからは、何も言われてはいないが、南方先輩は、私のことを心良くは思ってないだろう。

(ハァ~。)

私は、心の中で深くため息をついた。