俺と春名先輩が付きあって、何ヶ月かがたった。

俺はあくまで、『秘密の恋人同士』でよかった。

ところが、春名先輩は、恋愛に関しては、意外と『大胆で積極的』な人らしい。

ところ構わず、手を繋ぎたがった。

恥ずかしいからと、俺が断固拒否して、断ってはいるが‥‥‥‥‥。

人前では、さすがにキスまではしなかったが、人気のない所や、お互いの家でのキスは日常茶飯事となっていた。

俺の家なら構わないが、春名先輩の家でキスをするのは、何か、恥ずかしかった。

今、春名先輩だけが住んでるわけじゃないからだ。

弟である『佑宇樹蒼』がいる。

春名先輩の家にお邪魔した時に、何度か会ったことはあるが、『何もかも見透かされている』ような感じがするのは、俺の気のせいなんだろうか?

奴のことは、俺はなぜか『苦手』だった。

そして、きっと、親友である雪の『恋敵』でもある男。

『こいつには、気を許してはならない』。

俺の中の警鐘が鳴っていたんだ。