「彰吾、俺と付き合わないか?」


春名先輩にそう言われてから数日。

俺は、悶々と悩む日々が続いていた。

春名先輩は一体、どういうつもりであんなことを言ったのだろうか?

ただ、からかうつもり?

それとも、男同士の恋愛への好奇心?

いや、あの春名先輩に限って、そんなことはありえない‥‥‥‥。

ってことは‥‥‥、本気で言ったのかな?

そう思った途端、顔が真っ赤になって、胸がドキドキと高鳴っていくのが分かった。

春名先輩‥‥‥‥。

きっと、知れば知るほど、もうこの気持ちを止めることはできない。

そんな予感がした。

そんな時だった。

俺のスマホの着信音が鳴り出した。

手に取って、相手の名前を見る。

すると、『春名先輩』からだった。

ドキンッ!

俺の鼓動が、急に跳ね上がる。

俺は、意を決して、電話に出たのだった。