私と高行との関係は、いわゆる『友達同士』だった。

高行は、とにかくモテた。

でも、高行は、『恋愛』には超鈍感で、女の子たちの熱い視線にも、まったく気づかず、自然体。

そんな高行だったが、『結ちゃん』だけには、ちょっとだけ違うようだった。

高行から、前に、結ちゃんは『妹のような存在』だと聞いた。

『幼なじみ』で、ずっと一緒にいる女の子。

そんな結ちゃんを、高行は、とても『大切』にしていた。

私は、そんな結ちゃんが、内心、うらやましかった。

あんなに高行に『大切』にされて……。

きっと、他の女の子たちも、そう思っているに違いない。

だが、その二人のあまりの仲の良さに、女の子たちも、結ちゃんに文句は言えなかった。

高行は、『影で悪口を言う人』を嫌う。

女の子たちも、そんな高行の性格をよく知っているので、よけいに『結ちゃん』に文句が言えなかったのだ。

もし、そんなことをすれば、高行に『嫌われてしまう』。

女の子たちは、それが怖いみたいだ。

だから、言えない……。

むろん、私もだ……。

だが、高行が、女の子たちに『告白』されないワケじゃなかった。

私が知ってる限りでは、高行なりに『律儀』に『お断り』している様子だったが、『告白』してくる『女の子たち』は後を立たない。

私は、その度に、胸が苦しくなった。

私の場合は、高行が、結ちゃんを紹介してくれた時に、『良き先輩の顔』をしてしまった。

高行の手前、私は、結ちゃんを『邪険』にできなかった。

それ以来、結ちゃんには『瑠璃センパイ』と呼ばれ、慕われてしまった。

私が思うには、結ちゃんのほうは、明らかに高行に『恋』をしていた。

だが、結ちゃんの『一方的な片想い』らしかった。

私はというと、『初めの一歩』で、『失敗』してしまったのだ。

『女友達』でもいいから、高行の『側』にいたい。

そんな私の『想い』が、『告白』する機会を失わせてしまった……。

私は、内心、『複雑な心境』だった。

噂で、『恋人同士』では?と周りから言われた時も、高行のほうは、『全否定』だった。

私は、言葉を濁したが、『違うよ』と言ってしまった……。

その時に、私の『想い』は、一生、言えなくなってしまった……。

高行に『告白』なんて無理……。

そう思っていた私だったが、あることがきっかけで、高行に『告白』することになる。