さっきから小池さんの言っている意味が分からない…

あたしの何処が綺麗だというのだろうか。偽りの姿を褒められたって、ただ惨めになるだけ…

小池さんはきっと分からないからそんなことが言えるんだ

小池さんはあたしの痛みも苦しみも知らない…

それどころかあたし自身を知らない



「美優は可愛いね」

「……どうしてっ………そんなこと言うの?あたしのこと何も知らないのに!!」

「どうしてって聞くの好きだね…本当はそうじゃないよね?美優は理由がないと怖いだけでしょ?確なモノがないと信じられなくて不安になる……違う?」




唖然として言葉が出なかった…全て当たっていたから

何時からだろう…

相手の答えを求めだしたのは。気付かないうちにそれは癖になっていて、無意識に出てしまう。

あたしのコミュニケーションの方法でもあり、自分を守る盾でもあった。

すでにその盾は、あたしの心と同じようにボロボロに崩れて使い物にはならないけど……



「小池さんは……」

「亜弥でいいよ」

「でも…っ」

「亜弥って呼んで?それが友達になる条件。美優をあたしが支える代わりに、頼れる存在になる代わりに…美優の友達として。ね、簡単でしょっ?」

「………」






「もう一回言うね。美優、あたしの友達になって下さい。美優の本当の笑顔見たいから…」