「あたしを…あたしを利用するために友達になるの?」



みんなそうだった

本当に友達になりたいのはあたしじゃない…



「また、あたしを騙すの?」

「ちょっ…それどういうこと?」



焦った表情…
ほらね?結局はみんなそんな理由であたしに近づくの

気づかないとでも思った?

知らないと思った?




あたしはそれでも…それでもよかった。騙されていると知りながらも友達でいたかった

けど…もう無理


また迷惑かけちゃいけない

あたしのせいで傷つけたくないから…




「どうせ…貴方もけいちゃん狙いなんでしょ?幼馴染みのあたしに近づいて仲良くなろうとしてるだけでしょ?本当は何も思ってないくせに…友達だなんて思ったことないくせにっ!!!離してよっ!!!!!」



バシッ



な、なんで…



言い終わる前に、頬に鋭い痛みがきた。熱を持ち、ヒリヒリと痛みが広がる。

頬に手をやりながら彼女を見つめると…





大粒の涙が一筋ポロリと静かに流れた

そして同時にギュッと腕の力が増した。



「っ……なんで!?なんでっ!!!?………離して!」

「ごめんなさい」

「そう思うなら離してよ!!」

「辛かったんだね。苦しんでたんだね…一ノ瀬さん、あたし……」

「お願い離して……それ以上…言わな…いでっ……」








「あたし、やっぱり一ノ瀬さんと友達になりたい」