「隣いい？」



驚いた表情をして固まっているあたしに、もう一度言ってくる亜弥。

今度はニッコリと笑みもつけて



言葉を忘れたかのようにコクンと頷くことしか出来ないあたし。だけど、亜弥は嬉しそうな笑顔を見せる。

なんて綺麗なんだろう…

思わず溜め息が溢れた。男、女とか関係なく美人で亜弥にはその言葉がよく似合う。



そんな彼女がなんであたしなんかに声をかけるんだろうか…

一人でいるあたしを可哀想だと同情しているのだろうか


それとも……





「初めまして！あたしは小池亜弥。宜しくねっ」

「……」

「えっと…一ノ瀬美優さんだよね？よかったら友達にならない？」

「……」

「……一ノ瀬さん？」




またなの？


結局みんな同じ理由…




ガタッ



急に席を立つあたしに亜弥は驚きながらも、また声をかけてくる。



「どうしたの？」



そんな声を無視してあたしは教室から出ていった。

さっきまで煩かった同級生達の声が一気に静まりかえりただならぬ空気が流れ始める。



ヒソヒソと話す声も冷たい視線も全く気にならない









――利用してただけに決まってるでしょ？



ドクンッ

その時胸の鼓動が狂い始めた…