“入学おめでとうございます。君たちの担任になりました…”
さっき倒れた彼気になって先生の話なんて全然頭に入ってこない。
名前はなんていうんだろう、大丈夫なのかな。
私の知ってる、さくらくんなのかな ..
“今日はここまで。明日からよろしくな”
よし帰れる。早く帰ろう。
と、その前に…
「先生、さっき倒れた子大丈夫でした?」
“軽い貧血みたいでな、先に帰らせたんだよ”
“さっきの子はな 桜庭涼っていうんだ”
「桜庭涼…」
苗字に引っかかる。もしかして「さくらくん」と同一人物なのかもしれない。
だからといって、あの約2年間のことを覚えているのか。
よかったです、と先生に言い、私は帰るべき場所へ帰った。