かつて祖父の家で暮らしていた頃、1人の少年と出会った。
隣の家に住んでいて、祖父に叱られ追い出された時にはよく一緒に遊んでいた。
名前は…「さくらくん」だったかな。そう呼んでいただけで、本当は違う名前なのかもしれない。

同い年かも分からなければ、もう3、4年は会ってない相手だけれど、倒れた彼に少し似ているように感じた。


入学式を終えて自分の席に座れば、頭に思い浮かぶのはあの子の事ばかり。
今頃あの子は何をしているんだろう。


“席に着きなさい”