「えっ…?」


「この町に廉くんと来られて良かった……何だか、温かい気持ちになった」


「咲ちゃん…」


二人は目を合わせたまま、数秒…。


ドッキン…ドッキン…


何?


今までで、一番鼓動が大きいよ…。


と、その時廉が口を開く。


「……はっ…」


「えっ…?」


“は”?


すると次の瞬間、
廉は口に手を当て。


「ハックションっ…!」


「え―っ?くしゃみ?」


「ゴメン…出ちゃった」


頭をかきながら、少し照れくさそうに言う廉に咲が吹き出す。


「ぷっ…あははっ―」


「笑ってもらえて嬉しーけど、俺カッコ悪りぃ~」


「あははっ、ゴメンね?廉くんが風邪ひいちゃいけないよ?車行こ?」


「…うんっ」


そして、二人は海を跡にした。