そして、12月に入ろうとした頃。


相変わらず、私達は連絡のやり取りをしていた。

「忙しいのに…やり取りしてていいのかな?」


私は…たわいもないやり取りに癒されてるけど。

白石廉は、どういう気持ちで、私なんかと…?


――


夕暮れ時のある日。


白石廉からの電話にビックリしつつも、私は彼と話していた。


ドラマの待ち時間だと言う彼が、少しため息混じりに話しだす。


『あ~どっか、外行きてーな~最近ずっとスタジオばっかだし』


「あぁ…やっぱり、そうなんですね?」


『うーん…』


ふと、廉は廊下の窓から新しく出来たタワーに目が入る。


『新しく出来たレインボータワーにもまだ行けてないしなぁ…』


「そっか…?私も行けてないな」


自分の部屋の窓から、咲も同じタワーを見る。