ある日、休日の咲が寝てる元へ電話が鳴る。


「……ん…」


寝ぼけた咲が携帯画面を見る。


「…この人…」


とりあえず咲は通話をタップする。


「…はい?」


『あっ、咲っ?』


「……はい、そうです…」


…んっ!?


「えっ!?あのっ…咲って…?」


驚きから咲は起き上がる。


『えー?ちょっとちょっと、俺のこと忘れてないよねっ?』


「…えっ!?」


咲は思考を巡らせる。


「……っ!!?た…高山さんっ!?」


『おーやっと、気づいてくれたっ、遅いよ~咲っ』


「はいっ、すみません…って、なんで“咲”っ?」


『名前?いーじゃん、親しみやすくって』


「いやっ…あの…そういう問題じゃ…」


だって、咲って、呼ばれたの
…あの日…。


咲は記憶を巡らせ黙ってしまう。


『ねぇ?咲っ』


「あっ…はい?」


『今から迎えに行くからっ、デートしよっ?』


「デ……デートっ!?」


咲はつい、大声を出す。


『ぷっ…あははっ、な~に大声出してんの?』


「だ…だって…唐突すぎるからっ、色々と…」