「ゴメンね?突然、久々に廉と話したかったんだっ」


「ひぃ…」


「じゃぁ~いただきますっ」


笑顔で食べ始めた比奈を見て、
廉はふっと笑う。


「えっ?なにっ?」


「いやっ…ひぃは相変わらずだなって…?」


「えー?そう?廉もう食べたの?」


「うんっ」


ドリンクを飲みながらうなづく廉。


「廉っ、相変わらず忙しそうだねっ?」


「あー…うん、嬉しい限りだよっ」


ニコッと笑う廉を見て、比奈は少し眉を下げながら口にした。


「廉っ……元気?」


「えっ…あー…何言ってんだよ?元気だよ?」


「……そう?ねぇ?廉っ」


「……ん?」


比奈はうつむき、食事しながら口にした。


「……ムリ…しなくて、いいのに…」


「……えっ?」


「だから…私達にはバレバレっ、廉どっかでムリしてるっ」


「……っ」


比奈の言葉に、廉は少しうつむく。


「……でも…」


「…なに?」


「彼女が……言ってたから…」


「……なんて?」


「“白石廉を大切にしてほしい”って…」


「…えっ…」


「皆も……大好きだからって…」


比奈は廉の言葉に、眉を下げる。


「すごいね……その子…」


「えっ…?」


「私だったら…そんなこと、言えないや…」


「………。」


「本当に廉のこと、大切に想ってたんだね?
彼女…」


「……うん」


そう言うと廉は、少し優しげに笑って…
窓の外を見ていたー。