そしてリビングに待ってる廉の元へ。


「廉くんっ、お待たせ…お風呂ありがとう」


「あっ…いや、全然…」


廉は照れながら視線をずらす。


「廉くん…?」


「いやっ…その、女の子ってそういうの…卑怯だよね?」


「えっ…?なにっ?」


「だから…男の服ぶかぶかで着てるとか…ちょっと可愛いし…」


「えっ…!?」


可愛いっ!?

咲は照れてうつむく。


「そ…そうかな?」


「あっ!いやっ…咲ちゃんなら何でも可愛いからっ…て、なに言ってんだ?俺…」


「ふっ…クスッ」


「あっ…また笑ったな?」


「あっ…ゴメンゴメンっ」


「まぁ~いいけどっ」


少しふてくされた廉が寝室に向かう。


「そろそろ…寝よっか?」


「…うんっ」


廉は寝室の自分のベッドメーキングをすると、
咲の方を向いて言った。


「咲ちゃんは、ここ使って?」


「……えっ?」


「俺はソファーで寝るからっ、あっ…平気だよ?たまにやるしっ」


そう言って廉が笑顔で部屋を出て行こうとすると……とっさに、咲が廉の手を掴む。


「待って!……行かないでっ?一緒にいて…?」


「咲…ちゃん?」


廉はまだ、前を向いて照れたままでいた。


そしてゆっくり…口を開く。